お店の入口でにこにこしている招き猫、実は右手を上げているか左手を上げているかで意味が違うって知ってた? 江戸時代の縁起物の慣習として伝わる、その使い分けの話——まずは伝説から入ろう。
あの有名な「豪徳寺の猫」って何者?
招き猫の発祥伝説としてよく語られるのが、東京・世田谷にある豪徳寺にまつわる話。豪徳寺に伝わる記録によれば、彦根藩主・井伊直孝がお寺の猫に手招きされてその場に留まったところ、雷雨を避けることができたとされています。その縁でお寺と深く結びついたという伝説が、招き猫の由来の一説として語り継がれてきました。
あくまで「伝説のひとつ」であることは押さえておきたいポイント。招き猫の起源については複数の説が存在していて、豪徳寺の話はそのなかでも広く知られているものです。
右手と左手、どっちが何を招くの?
招き猫が江戸時代に商売繁盛の縁起物として広まった歴史のなかで、挙げる手の意味についての慣習も生まれました。
- 右手を上げた招き猫:金運・福を招くとされる慣習。
- 左手を上げた招き猫:人(お客さん)を招くとされる慣習。
江戸時代の縁起物としての招き猫に関する記録によれば、こうした「挙げる手の意味の使い分け」は商売繁盛を願う文化のなかで定着していったもの。どちらが「正解」というわけではなく、何を願うかによって選ぶ、というのが本来のスタンスです。ちなみに両手を上げているタイプもあって、それはもう全部招いてやるという強い意志を感じる(同じ気持ちです)。
縁起物って、そもそもどういうもの?
招き猫はあくまで縁起物——つまり、願いや祈りを形にした文化的なシンボルです。江戸時代に商売繁盛の縁起物として広まったという歴史が示すように、人々が「よいことが起きますように」という気持ちを込めてそばに置いてきたもの。
未来を予言するものでも、置けば必ず運が上がるものでもなく、自分の願いを意識させてくれるお守りのような存在と捉えると、日常の中でちょっと愛着が湧いてくるはず。次にコンビニやカフェで招き猫を見かけたら、どっちの手を上げているか確認してみて。
- 豪徳寺(東京・世田谷)の招き猫伝説 [historical-record]:井伊直孝を招いた猫の伝説を発祥の一説とする、招き猫の由来。
- 江戸時代の縁起物としての招き猫 [historical-record]:商売繁盛の縁起物として広まった招き猫の歴史と、挙げる手の意味の慣習。
本記事は文化・民俗の記録をもとにした読み物であり、特定の結果や運勢を保証・予言するものではありません。縁起物の伝承を楽しむ文化的な参考としてご覧ください。
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